農業に引き続き林業の経営形態について書いていきます。
林業の経営形態は何がいいのかを考える前に
農業のところでも書きましたが、林業でも同じく経営自体は個人で行うことができますし、個人で行った方が自由度が高く精神的には楽な場合が多いです。
良くも悪くも自分自身の判断で作業を行いますので、責任や成果など生産活動全般が自分次第になってきます。
半面、設備投資や資金繰りなどは全て個人の信用と責任で行いますのでどうしても不安定になってしまう部分もあります。
こういった部分は、農業とほとんど一緒だと思いますし、一次産業では比較的共通していると言っても良い部分です。
林業経営が農業経営と違うところ
最近のことですが、個人的に(週末)林業に参入することになりました。
とは言っても林業の場合には農業委員会のような組織もありませんし、誰でも(気軽に?)参入すること自体はできます。
ボランティアとしても参入できる
筆者のような週末だけで取り組む場合には兼業林家とも言うこともできますが、実際には森林ボランティアと言われるボランティアとして認知されている場合が多く、スタンスとしても有償、無償問わずボランティア扱いで参入することが可能です。
そのため様々な助成制度など取り組みを後押ししてくれるメニュー(支援制度)が数多く用意されています。
個人的な感覚では、この支援制度はかなり充実していて農業よりも制度を使いやすく創業準備ができてしまうくらいに充実していると感じています。
収穫(素材生産)では無く整備が収入になる
農業ではほとんどの場合で耕作の成果として作物を収穫することで対価を得る手段となります。
それに比べて林業の場合には、一般に素材生産と言われる立ち木を伐って材を得る作業のほかにも、最終的な成果となる成木を得る過程で行う間伐などの整備も成果として扱うことができます。
また、農作物の場合には1年で育苗から収穫となる場合が大半ですが、現在、林業を考える場合には放置された山林が多くあるため、いきなり伐採から入ることも現在の環境であると可能になります。
農業に比べて林業は従事者が少ない
農業と林業の根本的な構造の違いはあるかもしれませんが、現在それぞれに従事している人数が違います。
ちょっと古いですが総務省統計局の行う国勢調査によると平成17年の就業者数は、
農業 → 2,887千人
林業 → 52千人
となっています。
これは圧倒的な違いであることが一目でわかります。
このため同じにスタートするにしても全然環境が違うので農業と比較するのは難しいのかもしれません。
一端まとめ
林業経営を書く前に農業との違いを中心に書きましたが、農業とはフィールドやバックグラウンドが違うことがわかります。
それによって農業の場合には、個人経営と法人経営、それに加えて有限責任事業組合などの可能性を考えましたが、自分のような週末林業の場合には法人格をもたない任意団体(ボランティア団体)というスタイルもあると考えられます。
次回そのあたりをもう少し突っ込んで書いていきたいと思います。
つづきはこちらから。