出荷前の花を撮影(2018.12.05)してみました。
シクラメンと施設園芸とブログ
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属に属する多年草ですが、通常、販売に用いる場合は、1年ごとに種子から苗を起こして鉢上げを繰り返し、約1年かけて栽培されたのち版売をするので、実質は1年草のように扱われているのが実態です。
毎年11月から12に販売のピークを迎える冬の花として、広く一般に認知されている花ですね。
いきなり話が変わりますが、なぜこのブログでは数ある農業生産物のうちシクラメンを多く扱うかというと我が家がシクラメンを主力とした花卉農家を営んでいるからです。
といっても経営は父が行っており、私は中途半端に片足を突っ込んでいる程度です。
しかしながら、自身でもその生産の過程を幼少の頃から数十年見続け、そこで遊び、そこで育ち、現在もその作業に携わりますので、ある程度の内容について書いていくだけのノウハウは、多少ですが持っているつもりです。
それと同時に今後の経営のことや栽培のノウハウなどについて残していく意義と責任を感じていて、そういう意味でもブログで書き残すことと、何かを発信することが必要な時なのではないかと考えています。
要は、色々な決断をしなければならない時期が来ている状況なのです。
シクラメンの栽培スケジュールと肥培管理
ということで本題のスケージュールの話です。
シクラメンは、数ミリの種子から苗を起こして販売されるまでには、約14か月ほどの時間が必要です。
シクラメンが、広く流通のピークを迎える11月には、既に翌年に版売する次のシクラメンの種まきが終わっているような作業となります。
作業スケジュール(6寸鉢の場合)
時期 | 作業内容 | 備考 |
10月下旬 | 種まき・苗おこし | プラグトレー |
翌年3月頃 | 鉢上げ 肥培管理 | プラグ→3寸ポット |
5月 | 鉢上げ 肥培管理 | 3寸ポット→4.5寸鉢 |
8月 | 鉢上げ 肥培管理 | 4.5寸鉢→6寸鉢 |
12月 | 販売 |
上記の作業以外に年間を通して、水やり、農薬散布を繰り返します。
また、土づくりなども自ら行います。
こんな感じで手時間と間のかける農産物なのです。
肝心なスケージュールの話が一番短いですが、要は栽培期間が比較的長く必要であるということが伝わればいいなと思っています。
シクラメンの販売方法
基本的にはシクラメンも他の農産物と同じ流通をしているといってよいと思います。
具体的には、
・市場への卸売り
・直売
・契約販売
などです。
この販売のノウハウによって、同じ品質のものを生産していても売り上げに大きく格差がでます。
(最近では、サントリーなどの契約販売が目につきます。)
このことについても他の農産物と同じことが言えると思います。
そういった意味では、品質だけでなくその他の販売などにも力を入れておく必要があると思います。
余談になりますが、ある有名な農家さんが「農業は生産2割、流通8割である」と言う方がいました。
もちろん生産2割というのは、当たり前の品質を確保することを前提としているので、生産をおろそかにしているという意味ではなく、そのくらい流通(販売)に農業経営が左右されるという意味の言葉なのであると解釈しています。
この言葉、個人的にはかなり意義のある言葉だと思っているのと同時に実際に品質や生産量は同じ農家さんでも、あきらかに売り上げに差があることを実感しています。
ちなみにこの流通には、加工などの意味も含まれていると解釈しています。
ということで、話が脱線してしまいましたが、
以上が「シクラメン栽培の年間スケジュール」についてでした。